我が家の弟くん。
信じられないくらい、寝起きが悪い。
赤ちゃんの頃からの筋金入り。
その荒れっぷりの凄まじさに
友人が付けてくれたあだ名は、
「怪獣 グズラン」。
グズグズ、グズグズ……。
まぁ、家中に不愉快を巻き散らかす。
そして、
今朝もやってきた、怪獣グズラン。
私もまんまとグズランフラッシュを食らってしまい、
不快指数は急上昇⤴️⤴️。
グズグズとイライラで
窒息寸前。
荒れ狂う心を必死になだめながら「…いってらっしゃい」とかけて送り出すも、
グズランは「いってきます」の一言もなく、振り向きもせずにいってしまった。
はぁ~、グズランめ💢
ダラダラと歩く後ろ姿を苦々しく眺めていると……
ふいに、
なんの前触れもなく、
どういうわけだか、
あたたかい気持ちに包まれた。
「なんで…今?」
いやはや、
こんなタイミングで、
「幸せ」が届けられてしまうとは。
数秒前までのイライラからの振り幅に、思わず失笑してしまった。
グズランも
まさか自分の後ろ姿を見つめる母の視線が、こんなにも幸福に満たされているなんて想像もつかないだろう。
さぞや「キモッ」確定でしょうよ。
いや、
母だって、我ながら気持ち悪いわ!!
そんなことを思っているうちに、グズランは建物の向こうに消えてしまっていた。
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自分が
誰かを幸せにすることって
なかなか難しい。
自分で
自分を幸せにすることも
なかなかに難しい。
でも、
誰かのためでもなく、
自分のためでもなく、
ただ、ただ、
今、目の前のことに必死になっているだけなのに、
その後ろ姿が
誰かの目に止まって、
その誰かの元に
幸せが届けられることがあるのならば、
不器用に
日々を積み重ねるのも悪くないなと思う。
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そうはいっても、
やっぱり母は、
グズランフラッシュが苦手だ。
とっとと、
退治してくださいね!!