私はいつだって
差し出された【手】の味方だよ。
たとえ、
身勝手に受け取られる言動や
独りよがりの思考や
ひどく偏った嗜好をもっていたとしても。
それが
その【手】の素直な「姿」で、正直な「声」ならば。
でも、時折、
それとはひどくかけ離れた「姿」と「声」で、
饒舌に語ってくる人に出会う。
「全然違うんだけどなぁ。」
どれだけ耳を傾けても
どれだけ耳を澄ましても
「手」が語りかけてくる「声」とは違ってて…。
え?
【手】はその人の一部なんだから
【手】=【その人】
じゃないの? って?
いえいえ。
【手】から感じる【その人】と
目の前で語る【その人】は
必ずしも一致するとは限らない。
単純には「=(イコール)」で
結べない。
もちろん、それは
その時の【その人】の状態が、
本来の「姿」から
少し離れてしまっているだけのことだけどね。
全身を強ばらせて、
ギュッと【手】を握りしめながら
「私を認めて!!」
と必死に叫んでいるように見える。
だから、そんな時は
あえてずっと【手】に触れておいて、
ちょっとずつ
ちょっとずつ
握りしめた【手】がほぐれていくのを待つ。
「大丈夫、
あなたの【手】の味方だよ。」
そう、心で呟いて。
だってね、
「=」になる瞬間は
いつか必ずやって来るから。
ほんとだよ。