月に何度か
「てっぺんのふね」で【手相読み】をさせてもらっている。
街中の一角。
立ち並ぶ雑居ビルの一つ。
最上階の一番奥まった場所。
そこに「ふね」はある。
【手相読み】の日。
約束の時間が近づいてくると、
私は「ふね」の中で廊下から聞こえてくる音に耳を澄ませる。
足音が近づき、
ほどなくして、
トントントン…と
ドアがノックされる。
扉を開けると、
「あ~、よかった~。
間違ってなかった~!」
「ようこそ、迷子になりませんでしたか?」
そう声をかけながら招き入れる。
中に入ると、
「外」と「中」とのギャップにみなさん一様に驚かれる。
そして、部屋のあちらこちらを眺められる。
「外と全然違うでしょ。」
そんな言葉をかけながら
緊張された表情がホッとほぐれるのを待って、
【手相読み】をスタートする。
「ふね」は
いくつものビルに囲まれてるのにも関わらず、
ベランダに面した窓から
お陽さまの光がたっぷり降り注ぐ。
奇跡的に切り取られたような、
遮るものの何もないベランダ越しの景色を、
私はとても気に入っている。
手前には公園の緑。
少し遠くには山並みの緑。
今日も
この景色に何度も視線を移しながら、
目の前に差し出された【手】にぴったりの言葉を探す。
日常から切り離された異空間「てっぺんのふね」で、
ほんのひととき、
じっくりとあなたの【手】の声に耳をすましてみませんか。
ここでしか味わえない
ドキドキとワクワクをぜひ。