手相読みをしているときに耳にした言葉が、ずっと心に残っている。
「定点観測に来ました」
特に気がかりなことがあるわけでもなく、普通に元気に過ごしているけど、
そんな今日の自分の手ってどんな感じなのかな、と思われたらしい。
軽やかな声で語られたこの言葉は、
彼女にとっての「手相読み時間」がどういうものなのかを端的に表していて、
それを聞いてなんだか、嬉しくなった。
「手相読みに行く」
という行動は、
「自分の心の声を聞きたい」
「自分の本当の姿を見たい」
という心の表れだと思う。
一度だけ来られる方
毎月来られる方
気になった時に来られる方
年に一度来られる方……など
その距離感はまちまちだけど、
わざわざ私の目の前まで足を運び、手を差し出し、話に耳を傾けながら時間を過ごされる。
そして、
「ありがとうございました」の一言とともに
「手相読み時間」に価値を与えて帰っていかれる。
なんとも、なんとも。
これからも
差し出された手をしっかり取りながら、
大切な【声】や【姿】を丁寧に言葉にしていこう。
だって、こちらこそ、
「ありがとうございました」なのだから。