手のひら日記

【コーリングのときどき手のひら日記】2022.12.30  今年もありがとうございました。

彼の【手】に初めて会ったのは、一年半くらい前のこと。

もの静かで、とっても優しい。
だけど、ひどく色味がない。
白黒…いや、灰色かな。
そんな印象の【手】だった。

先日、
久しぶりにその【手】を読ませてもらった。

「相変わらずのグレーだなぁ。
でも、これまでよりずいぶん手のひらが固くなってる。
ガードの張り方を身につけてきたのかも……」

なんて思いながら、
ゆっくりと、いくつか質問を投げかけてみた。

手相読みの最中、彼はほとんど声を発さない。
ほぼ、私の独り言。
まぁ、それでいいと思っていたし、私の問いに考えを巡らせているその様子が、彼からの答えだと思っていた。

だけど、この日は少し様子が違っていた。

ある問いかけに対して、
今まで聞いたことのない、生彩を帯びた「声」で答えが返ってきた。

「こんな頼もしい声でしゃべるんだ!」

たった一言だったけど、
間違いなく、
今、彼の【手】は大切なものを掴んでいる。
そう、確信できる声だった。

繊細で優し過ぎる彼にとって取り巻く世界は、きっと脅威に溢れているはず。
深い愛情さえも、
理解の範疇を越えて、
刃の如く、鋭く突き刺さっていることだろう。

何を選び、何を手放せばよいか、全く判断がつかないのも当然だと思える。

手のひらの彩りのなさは、それゆえなのかもしれない。

手相読みをしていて、つくづく思うのは、
どんな「選択」も
間違いなく「その手らしい」ということ。
紆余曲折あろうとも最終的には、自分にぴったりなものを掴んでいる。

だから
今、彼がその手に掴んでいる「何か」はとても彼らしい「何か」で、
必ず彼らしい「未来」に繋がっているんだ、と、確信している。

そう、だから大丈夫。
その選択でいいんだよ。

「とても大切なものを掴めているからね。
しっかり握っておいておくんだよ。」

そう伝えて、お別れした。

彼の手が、
いつか彩り豊かな印象になりますように。

そう、願ってる。

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今年も、たくさんの【手】に出会うことができて、とても幸せでした。
訪ねてきて下さった皆さま、どうもありがとうございました。

来年も、私の手相読みが少しでも皆さまのお力になれるよう、丁寧に頑張っていきます。
どうぞよろしくお願いします。

では、では、
よい年をお迎えくださいね。

コーリング 渡邉恵

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